日本双生児研究学会の第34回学術講演会は、志村恵幹事(金沢大学)を大会長として、2020年1月11日(土)に石川県政記念しいのき迎賓館ガーデンルームを会場として開催され、61名の参加者を集め成功裏に終了しました。
一般演題11題をはじめ、弘前大学教育学部の野嵜茉莉講師による2018年度日本双生児研究学会奨励賞受賞講演「首都圏ふたごプロジェクトと私の10年」、金沢大学副学長・理事の柴田正良先生による特別講演「遺伝子編集時代の倫理 ―倫理的行為者としてのロボットの可能性から―」、および2019年4月に惜しまれつつも逝去された石川県立大学の大木秀一教授を追悼するシンポジウム「多胎家庭支援の諸相」と多彩なプログラムのもと熱心な議論がなされました。
特に、大木秀一教授追悼シンポジウムでは、志村恵幹事を司会に、布施晴美氏(十文字学園女子大学)、太田ひろみ氏(杏林大学)、伊藤節子氏(東京都荒川区子育て支援課)、糸井川誠子氏(ぎふ多胎ネット)、川上由枝氏(認定NPO法人おやこの広場あさがお)に登壇願い、全国レベルの中間支援団体による多胎家庭支援、大学と連携した多胎家庭支援、地方公共団体による先進的な支援事業、地域の多胎ネットによる複合的な多胎家庭支援、そして地域の子育て支援団体による多胎にも配慮した子育て支援等、さまざまなアクターによる子育て支援についての報告がなされ、地域格差のない妊娠期・出産期・育児期を通じた隙間のない支援の重要性を共有しました。
故大木教授は日本を代表する世界的な双生児研究者でしたが、多胎家庭支援活動にも積極的に参画され、研究者と当事者をつなぐ極めて重要な役割を果たしてこられました。
その意味でもこのシンポジウムは大木教授の遺志を継ぐ記念碑的なものとなりました。